2010年 05月 24日
湖水地方2010 その1 |
イギリス生活がもう残り少し、この美しい5月をどうしてくれよう・・・と考えて、最後に行っておきたい場所を熟考したらやはり湖水地方は外せず、2泊3日で出掛けてきた。湖水地方には2008年に、母を連れて行ったことがあるのだけれど、あの時は1泊2日の駆け足で、それなのに山歩き初心者のくせに着いた早々かなり長いハイキングを楽しんでしまったり、と、ゆっくりできなかったので(2008年湖水地方の日記はこちら)、今回は「いい景色をじっくり」を目標に。
まず初日はロンドン・ユーストン駅からヴァージン・トレインに乗って湖水地方の玄関口、Windermere駅へ。途中いろいろな乗り換え方法があるが、およそ3時間半ほど。この日は10時半にユーストンを出て着いたのが14時前。
今回は ①前回降りなかったAmblesideの町を歩く ②ビアトリクス・ポターの家、Hill Top周辺の散策をもう一度 ③前回行かなかったConiston Waterというちょっと先の大きな湖へ ④前回行ってとても良かったRydal Water~Grasmereの辺りを、前回と反対側を歩く の4つが目標。
初日は、Windermereに着いてからまずバスでAmblesideへ。ローカルバスで10分程度。Windermere湖に沿って田舎道を走り、最初に現れる小さな町。
Amblesideの町で唯一観光っぽいものは、Bridge Houseと呼ばれるもの。小川の上に建てられた、小さな石造りの小屋だ。何が異質かと言えば、やはり小川の上にちょこんと不自然に建てられたスタイルと、その場所がゆえに必然的にとてつもなく小さいということだろう。
17世紀に建てられたと言われるこの建物には2つの話がある。1つは、この建物は地元Ambleside Hallリンゴ貯蔵庫だった、あるいはの夏の家として使われたというもの。もう1つは、Chairy Riggという人が妻と6人の子供と住んでいたというもの。長い歴史の中では、他にもいろいろな使い方をされたのかもしれない。
何故橋の上?という疑問には「税金対策」というのがまっとうな答え。地面の上に建物を建てる場合には土地税がかかるが橋の上に建てる場合はそれがかからなかったとのこと。なるほど。法律の隙をつく「賢い」人というのは、どの時代にも存在していたものなのだ。
しかし、ここまで奇策を考えてしまうほど、税金というのは人々を苦しめてきたのだろう。前回Willam Wordsworthの最後の家、Rydal Mountに行った時に「家屋調査の結果、壁に塗りこまれた窓を発見」という記事を読んだのだが、それも窓が何枚あるかに対して税金が課せられた17~18世紀のWindow Taxから逃れるための策だったらしい。
このBridge Houseは1926年に地元の人たちによって購入され、その後保存のためにNational Trustに寄贈された。こうやって昔ながらの風景を守れるシステムというのはイギリスらしくて素晴らしいと思う。
このAmblesideは本当に小さな町。カフェや雑貨屋さん、オーガニックショップなどあるほかは、特に何もないのんびりした美しい町。Amblesideを越えると、バスで5分ほど進めばRydal Church(Wordsworthの住んでいたあたり)。今回の目標にこの先の「Ryal Water~Grasmere散策」があるのだけれど、ひとまず夕方になったので、カフェでお茶して一旦は予約したWindermere駅近くのB&Bへ。(つづく)
まず初日はロンドン・ユーストン駅からヴァージン・トレインに乗って湖水地方の玄関口、Windermere駅へ。途中いろいろな乗り換え方法があるが、およそ3時間半ほど。この日は10時半にユーストンを出て着いたのが14時前。
今回は ①前回降りなかったAmblesideの町を歩く ②ビアトリクス・ポターの家、Hill Top周辺の散策をもう一度 ③前回行かなかったConiston Waterというちょっと先の大きな湖へ ④前回行ってとても良かったRydal Water~Grasmereの辺りを、前回と反対側を歩く の4つが目標。
初日は、Windermereに着いてからまずバスでAmblesideへ。ローカルバスで10分程度。Windermere湖に沿って田舎道を走り、最初に現れる小さな町。
Amblesideの町で唯一観光っぽいものは、Bridge Houseと呼ばれるもの。小川の上に建てられた、小さな石造りの小屋だ。何が異質かと言えば、やはり小川の上にちょこんと不自然に建てられたスタイルと、その場所がゆえに必然的にとてつもなく小さいということだろう。
17世紀に建てられたと言われるこの建物には2つの話がある。1つは、この建物は地元Ambleside Hallリンゴ貯蔵庫だった、あるいはの夏の家として使われたというもの。もう1つは、Chairy Riggという人が妻と6人の子供と住んでいたというもの。長い歴史の中では、他にもいろいろな使い方をされたのかもしれない。
何故橋の上?という疑問には「税金対策」というのがまっとうな答え。地面の上に建物を建てる場合には土地税がかかるが橋の上に建てる場合はそれがかからなかったとのこと。なるほど。法律の隙をつく「賢い」人というのは、どの時代にも存在していたものなのだ。
しかし、ここまで奇策を考えてしまうほど、税金というのは人々を苦しめてきたのだろう。前回Willam Wordsworthの最後の家、Rydal Mountに行った時に「家屋調査の結果、壁に塗りこまれた窓を発見」という記事を読んだのだが、それも窓が何枚あるかに対して税金が課せられた17~18世紀のWindow Taxから逃れるための策だったらしい。
このBridge Houseは1926年に地元の人たちによって購入され、その後保存のためにNational Trustに寄贈された。こうやって昔ながらの風景を守れるシステムというのはイギリスらしくて素晴らしいと思う。
このAmblesideは本当に小さな町。カフェや雑貨屋さん、オーガニックショップなどあるほかは、特に何もないのんびりした美しい町。Amblesideを越えると、バスで5分ほど進めばRydal Church(Wordsworthの住んでいたあたり)。今回の目標にこの先の「Ryal Water~Grasmere散策」があるのだけれど、ひとまず夕方になったので、カフェでお茶して一旦は予約したWindermere駅近くのB&Bへ。(つづく)
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by vcuko
| 2010-05-24 21:55
| イギリス生活